予防診療

(ワクチン、フィラリア・ノミダニ予防)

『ワクチン予防接種』

ワクチンはウイルスや細菌によるおそろしい感染症(伝染病)から愛犬、愛猫を守ります。

日常のあらゆるところにウイルスや細菌は潜んでいます。感染症は時には愛犬、愛猫の命を脅かす恐ろしい病気です。

生後、母親からもらった移行抗体により、しばらく免疫の防御効果を持っています。それが次第に低下し、感染症にかかる危険性が高くなります。そこで母親からもらった免疫の防御効果がなくなる前に、早い時期からワクチン接種を行い感染症にかかる危険性をより低くします。

また、子どもの時期のワクチン接種のおかげで感染症から身を守ってくれていますが、徐々にワクチンの効果は弱まってきます。青年期は活動範囲も広く、老齢期は免疫力も低下してくるのでよりワクチンによる免疫の強化が重要となるのです。

ワクチン接種が必要なのか、しっかり診察をして接種します。

犬の混合ワクチン:6種混合ワクチンまたは8種混合ワクチン
生活環境や行動範囲によって6種もしくは8種混合ワクチンを選び接種します。
生後2〜3ヶ月齢1ヶ月おきに3回のワクチン接種を行います。
成犬1年に1回のワクチン接種を行います。

狂犬病ワクチン:狂犬病予防法により1年に1回、全頭接種が義務づけられています。
集合注射が苦手な子、集合注射に行けなかった子は動物病院で接種しましょう。
登録や鑑札・済票の交付も忘れずに行いましょう。

猫の混合ワクチン:3種混合ワクチンまたは5種混合ワクチン
生活環境や行動範囲によって3種もしくは5種混合ワクチンを選び接種します。
生後2〜3ヶ月齢1ヶ月おきに2回のワクチン接種を行います。
成猫1年に1回のワクチン接種を行います。

 

『フィラリア予防』

わんちゃんを飼われている方は、春になるとフィラリア予防で来院されます。フィラリア症とはどのような病気なのでしょうか。

犬フィラリア症はどのように感染するの?

蚊がフィラリアに感染した犬を吸血することで、蚊の体内にミクロフィラリア(蚊の赤ちゃん)が入ります。フィラリアは蚊の体内で幼虫に発育し、非感染犬が幼虫を持った蚊にさされると、犬の体内で成虫に発育し肺動脈や心臓に寄生します。

フィラリアに感染したらどうなるの?

感染初期にはほとんど症状は現れませんが、次第に進んでいくと咳が出たり運動量が低下します。突然、元気がなくなり、血尿が現れる急性症(大静脈症候群)では一晩で死に至ることもあります。慢性症では発咳や呼吸困難、貧血、腹水、肝臓肥大、肺高血圧症、心不全症状などがみられます。大切な愛犬が重度の心臓病を患う事になるのです。

フィラリア予防するにはどうするの?

フィラリアの幼虫を駆除する予防薬を投与します。蚊が活動する時期は毎年、予防しましょう。予防期間は5月〜12月までですが、年や地域、生活環境によって蚊を見かける期間は変わります。早い時期から見かける場合は長く投与する事もありますのでご相談ください。

 投与回数メリットデメリット
お薬タイプ毎月1回
(5月〜12月)
薬剤の形状が小さいので飲ませやすい錠剤が苦手な子に不向き
お肉タイプ毎月1回
(5月〜12月)
おやつのように食べてくれる少し大きめで、かけらも全部食べないといけない
注射タイプ1年に1回飲ませ忘れや食べたふりをする未投与期間がないワクチン注射と一緒に打てない
注射アレルギーが稀にある

*飲ませ忘れてしまう

*お薬が苦手     そんな子には注射がおすすめです

これら予防薬はフィラリアの成虫には効果がありません。成虫になる前にしっかり投与し、成虫にさせないよう予防しましょう。

また、毎年予防をしている子も、今年の予防を始める前には必ず血液検査をしてフィラリアに感染していないか確認する事が重要です。

猫のフィラリア予防

猫ちゃんは犬ほどフィラリア症による症状は重篤ではありませんが、アレルギーやぜんそくを起こす事があります。猫ちゃんのフィラリア予防はノミ予防薬の中に入っているので、毎月ノミ予防と一緒に行います。

『ノミ・ダニ予防』

ノミ予防

ノミは室内、室外で一年中見かける外部寄生虫です。体に寄生するとかゆみからの皮膚炎、唾液に含まれる物質によるアレルギー、大量に寄生するとノミの吸血による貧血などの病気を起こします。人にもかゆみを起こします。少数の寄生がいつの間にか家中で繁殖してしまうこともあるので、徹底的な駆除が必要です。

マダニ予防

マダニは散歩中の草むらなどに潜み、犬や猫の体に寄生し、たくさんの血を吸って栄養障害や貧血を起こします。また生命に危険を及ぼす感染症を媒介する可能性もある恐ろしい害虫です。犬バベシア症、ヘモプラズマ症、ライム病、近年報告された、人への重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の病原体を媒介すると言われています。

マダニが犬や猫の体についている場合は無理に取らず、動物病院で適切なお薬で駆除しましょう。無理に取るとダニの口が残り皮膚炎の原因になる事がありますのでご相談ください。

お薬のタイプ

スポットタイプ、内服タイプがあります。

ノミ・内部寄生虫・耳ヒゼンダニに有効なもの
ノミ・マダニに有効なもの
ノミ・マダニ・フィラリアに有効なもの

いろんな種類があるので必要なものを選んで駆除していきます。